今回は、てるしのワークセンターさんの活動をご紹介いたします。

指定障害福祉サービス事業所 てるしのワークセンター
紅型技術指導 比嘉 敏子さん(左) 職業指導員 竹内 香代子さん(右)
就労訓練を通して、自分らしく働くきっかけを見つける
てるしのワークセンターは、1979年、沖縄県初の精神障害者地域家族会として誕生しました。「てるしの」は、東の空の水平線から太陽が現れ、柔らかい陽の光が大地を照らすことを意味します。
陽の光が人々を明るく包み込みように、明るく未来を照らし出す希望の光でありたいとう願いを込めて名付けられました。
センターでは、就労訓練(作業)を通して、一人一人が自分らしく働くきっかけを見つけるお手伝いをしています。
利用者の皆さんは、パン班・弁当班、園芸班、紅型・軽作業班の4グループに分かれ、それぞれの適性を考慮しながら、自分が興味・関心のある作業に日々取り組んでいます。
廃棄する段ボールを紅型商品にアップサイクル
2020年から、紅型指導員が技術指導しながら、沖縄の伝統工芸である紅型商品づくりをスタートしました。紅型職人が使う道具や染料、工程、技法はそのままですが、布地の代わりに段ボールを使っているのが特徴です。
これは、紅型業界でも福祉業界でも初めての試みで、「せかいにひとつ」のコンセプトで商品開発をしています。
以前、段ボールをアップサイクルしたノートやシールづくりの委託作業をしていたので、周りに段ボールがたくさんある環境でした。布地以外に何か良い材料はないかと考え、段ボールにチャレンジしたのが始まりです。
図案などは紅型指導員が担当しますが、段ボールを剥がす作業や型彫り、色挿し、水洗いなどは利用者さんが行っています。

水に漬けた段ボールを丁寧に4枚に剥がす
図案を考える時は、紅型の伝統的な柄はもちろん、伝統柄と現代的なモチーフを組み合わせたり、利用者さんが描いた絵を取り入れたり、さまざまなデザインにチャレンジしています。これまでにない大胆な図案も好評です。

段ボールに型を置き、上から糊をのせる型置き作業
色挿しでは、段ボール用に配合した染料を数種類用意して、それぞれ自由に色を使っています。これまでの紅型にはなかなかない色使いがあったり、全色混ぜてシックな色合いを生み出したり、それぞれのセンスが光る作業です。一人一人が紅型作家となり、一つ一つ丁寧に手作りしている唯一無二の紅型商品を生み出しています。

一つずつ丁寧に色を入れていく
南風原町地域ブランド認定商品「はえばる良品」に選定
廃棄される段ボールを封筒やポチ袋、ポストカード、ノートなどにアップサイクルした新しい紅型商品は、高い評価を受けています。
2023年には紅型クラフト商品「せかいにひとつ」が、2025年には紅型染めポチ袋に塩を入れたお守り「幸せお守りまーす」が、南風原町地域ブランド認定商品「はえばる良品」に選ばれました。
「幸せお守りまーす」が生まれたきっかけは、大きな封筒やノートなどを作成した際に出る端材の活用です。貴重な資源を余すことなく有効活用できる商品として、手のひらサイズでカバンや財布に入れて持ち歩ける塩入りお守りに、鮮やかな紅型を施しました。
花笠など沖縄らしいモチーフや干支など多彩な図柄を用意しているので、家族全員分の干支を購入するお客さまも多いです。

大胆な図柄や鮮やかな色使いが人気の段ボール紅型商品
今後の取り組み
段ボール紅型は、てるしのワークセンターで販売している他、県内のお土産品店やセレクトショップ、ホテル内ショップなどで取り扱っていただいています。しかし、納期に追われてしまわないよう、需要と供給のバランスを見ながら販路を拡大していきたいと思っています。
それぞれの適性を見ながら、できる作業、興味のある作業を担当してもらっていますが、最初は長い間いすに座ることができなかった方が、集中して作業できるようになったり、商品が売れていると聞いて制作する励みややりがいにつながったり、良い相乗効果が表れています。
やりがいや自信につなげるためにコンテストなどへ出品しており、「那覇市障がい者美術展」で那覇市議会議長賞や金賞を受賞しています。今後も積極的にコンテストに参加し、個人個人の技術力アップを目指していきたいです。
また、みんなが安定して制作できる定番商品を増やしつつ、高額の目玉商品も開発したいと考えています。売上だけでなく、利用者の皆さんが楽しく、無理せず、制作活動を続けていけることが一番の目標です。
団体情報
指定障害福祉サービス事業所 てるしのワークセンター
〇所在地:〒901-1104 沖縄県島尻郡南風原町宮平206-1
〇TEL:098-889-4011
https://www.okifukuren.org/pages/91
「おきなわSDGsプラットフォームサイト」に関するお問い合わせ先
【おきなわSDGs プラットフォーム事務局】
E-mail: platform[@]okinawa-sdgs.jp