おきなわSDGs プラットフォームおきなわSDGs プラットフォーム

お知らせ

【事例紹介】沖縄発!赤土対策型ベチバ―素材の地域循環モデル構築プロジェクト<しま・ベチバ―サーキュラーズ>

REPORT / 2026.07.27

今回は、おきなわSDGsプラットフォームプロジェクトチーム「しま・ベチバ―サーキュラーズ」の富山様が、チームの取組内容をご紹介します。

琉球大学工学部
教授 富山 潤様

富山様(左から2番目)

■ プロジェクトチームの想いと背景

私たちが立ち上げたプロジェクトチーム「SHIMA Vetiver Circulars(しま・ベチバーサーキュラーズ)」は、沖縄発の赤土対策型ベチバ―素材の地域循環モデル構築を目指しています。

沖縄では降雨時に赤土が海へ流出し、サンゴ礁や海洋生態系に悪影響を及ぼしています。対策として、グリーンベルト・ベチバ―が導入されていますが、維持管理には定期的な刈り取りが必要で、特に葉の処理が課題となります。また、農家には負担と費用が生じる一方で、価格転嫁は困難で持続性に乏しい現状があります。

※ベチバ―:イネ科の植物。畑の周囲に帯状に植え、赤土の流出を防ぐ機能を果たす。

赤土流出には以前から問題意識を持っていましたが、私たちが研究している植物性コンクリート・植物性プレートが課題解決の一助になると考えました。私たちは、葉に含まれるリグニンの熱特性を利用し、接着剤を使わず固化できるボタニカル素材を開発し、キーホルダーやコースター等のボタニカルプレートの製品化を進めるとともに、リース、しめ縄、綱、ディフューザー等の他の製品製造プロジェクトとも連携し、農家・福祉施設・学校との協働によって収益化と環境意識醸成を両立する沖縄発の地域循環モデルの構築を目的としています。

2025年9月13日に開催された
「SDGsフェスイオンモール沖縄ライカム
(琉球デイゴス×イオンモール沖縄ライカム)」の様子

(当日のフェスの概要などはこちらから:https://deigos.com/news/8240/

■ 主要活動の紹介

本プロジェクトは、2025年9月から2026年8月までの活動期間で、段階的に3つの活動を行う予定です。

活動①:ベチバー葉のボタニカル(2025年9月~2026年3月に実施済み)

ベチバ―葉の収集・乾燥・粉砕による原料調達、リグニンの熱特性を活かしたボタニカル素材の試作(キーホルダー、コースター等)。

活動②:検証・準備期間(2025年11月〜2026年8月に実施予定)

リース、しめ縄、綱、ミサンゴ(ベチバーの葉で作ったミサンガ)、ディフューザー等の他製品プロジェクトとの協働、農家・福祉施設・学校との共同製造や体験活動(ワークショップ)、恩納村など自治体との調整・実証実験。ベチバ―ディフューザー、ベチバ―アロマオイル、ベチバ―ボタニカルプレートを組み合わせた製品が琉球大学ブランドに採択済。

(琉球大学ブランド:https://www.u-ryukyu.ac.jp/%e7%90%89%e7%90%83%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%89%e5%95%86%e5%93%81%e3%81%ae%e7%b4%b9%e4%bb%8b/

活動③:製品の確定・販路改革(2025年11月~2026年8月に実施予定)

レーザー彫刻によるデザイン加工で観光土産・ノベルティ化、教育・観光プログラムとしての活用による環境意識醸成、販路開拓(直販、土産店、ふるさと納税返礼品、企業ノベルティ)。

第28回恩納村産業まつり

■ 今後の展望

本プロジェクトにより、ベチバー葉を活用した新たなボタニカル素材が開発され、キーホルダーやコースター等の製品化や既往のクラフト製品とのコラボを通じて、農家や地域住民に収益源を提供する循環型モデルが構築されます。これにより、赤土流出対策に経済的インセンティブが付与され、環境保全活動の持続性が高まります。さらに、福祉施設や学校との連携による製造体験や教育プログラムは、地域住民や観光客の環境意識を醸成し、観光資源としての価値向上にもつながることが見込まれます。こうした成果は学会発表や論文として発信され、沖縄発の先進的な地域資源循環モデルとして全国展開が期待されます。

■ メッセージ

私たち「SHIMA Vetiver Circulars(しま・ベチバーサーキュラーズ)」は、赤土流出対策として植栽されているベチバーを単なる環境対策植物としてではなく、地域資源として活用し、「環境保全」と「地域経済循環」を両立する新しい仕組みづくりに挑戦しています。

この取り組みは、農家、福祉施設、教育機関、企業、自治体、そして地域住民の皆さまとの連携によって成り立つプロジェクトです。一人ひとりの小さな参加が、沖縄の海を守り、地域に新たな価値を生み出す大きな力になります。

私たちは、本プロジェクトの理念に共感し、共に活動していただける仲間や連携パートナーを募集しています。ベチバーの活用、製品開発、環境教育、地域イベント、販路開拓など、さまざまな形でご参加いただけます。

沖縄の豊かな自然を次世代へつなぐために、ぜひ一緒に「しまの資源循環」を育てていきましょう。

団体情報

【SHIMA Vetiver Circulars(しま・ベチバーサーキュラーズ)】

○所在地:沖縄県中頭郡西原町字千原1番地 琉球大学工学部工学科 建設材料学研究室内

○TEL:098-895-8649

○mail:jun-t@cs.u-ryukyu.ac.jp

○代表:富山 潤(トミヤマ ジュン)