年齢や障がいの有無に関わらず、誰もが地域で自分らしく輝ける場所——。
本部町伊野波で就労継続支援B型事業所「光と風の和 はんぱたやー」を運営する「合同会社 源氣」では、利用者の社会参画や生きがいづくりを見据えた温かな取組が行われています。
地元の恵みを生かしたカフェ運営や、未利用資源を活用した草木染めの実践を通して、持続可能な地域社会のカタチをご紹介します。
誰もが生き生きと働けるカフェづくり
名護市中山にある「元氣コーヒー」。
このカフェは、「はんぱたやー」の利用者が一般就労などの社会参画を目指すための「施設外就労支援所」として2025年11月にオープンしました。
民家を改装した温もりあふれる空間では、 地域農家と提携して焙煎したオーガニックコーヒーや、自家栽培の無農薬野菜を使った薬膳スープなどを提供しています。
利用者の皆さんは、接客や調理助手をはじめ、コーヒーの焙煎、物販商品の袋詰め、店内の掃除などを実践的に担当しながら、地域社会と直接関わって一般就労に向けたステップアップを目指す大切な挑戦の場となっています。
この「元氣コーヒー」で毎週木曜日に開催されているのが、認知症当事者の方々が「スタッフ」として活躍する「はじめましてカフェ」です。

一般的に認知症カフェといえば当事者や家族、地域住民が集う交流の場を指すことが多いですが、ここでは一歩進んで当事者の方々が実際に接客を行っています。
注文を聞いてコーヒーを運んだり、空いたお皿を「片付けましょうか?」と積極的に声をかける姿はとても活気に満ちています。
職員と交じって「できること」を分担して働き、お客様とコミュニケーションをとることで、認知症の症状が安定するなど嬉しい変化も報告されているとのことです。
また、近隣のデイサービスからも利用者が訪れており、通常の喫茶店では利用が難しいと感じる方でも、安心して本格的なカフェタイムを楽しめる貴重な地域交流の拠点となっています。
「捨てるものが宝物」地域資源をいかした草木染め
店内を彩るのは、鮮やかなフクギの黄色や優しい月桃のピンク、カラキの落ち着いた茶色で染め上げられた美しい布製品です。
カフェで働くスタッフも、手作りの草木染めエプロンを着用して接客を行っています。

草木染めは、もともとこの地域に深く根付いていた生活文化の一つ。
浸す時間だけでなく草木を刈り取る時期によっても色合いが異なり、地元の方からは「月桃は花が咲く前のほうが色が濃く出る」といった知恵も教わります。
草木染めの体験は、地域に伝わる手仕事や生活文化を再認識・再発見する時間となっています。
また、これらの染料に使われる草木は、台風で倒れてしまった木々や剪定作業などで不要となり処分されるはずだった地域の植物たちです。
「捨てるものが宝物」という言葉の通り、これまで見過ごされていた身近な植物を活かすことで、街を歩くときも「地域の豊かな資源」に自然と意識が向くようになったといいます。
取材日には、カフェで出た不良豆(廃棄予定のコーヒー豆)を活用した「コーヒー染め」が開催されました。
参加者は薬剤で布に絵を描いたり、ビー玉で絞り模様を作ったりと、集中して作業を楽しみました。
完成した布をコーヒー液に浸し、ミョウバンで色止めをすると、優しい色合いの作品が仕上がりました。

多様な人が持ち寄る「得意」が、笑顔のコミュニティを作る
「元氣コーヒー」には、実に多様な人々が入れ替わり立ち代わり訪れます。
三線が得意な方が弾き語りを披露すれば、手拍子が起こって店内がぱっと賑やかになる一幕も。
店内にある電子ピアノを演奏するお客様や、ジュゴンの研究者など、それぞれの関心や得意を持ち寄って空間が形作られています。

特別な垣根をつくることなく、お互いができることを尊重し合いながら笑顔で過ごす時間。
そこには、持続可能な地域共生社会の理想的な姿がありました。
地域にある資源や人々の温もりを大切に編み上げる「光と風の和 はんぱたやー」の取組は、私たちに豊かな暮らしのヒントを教えてくれます。
「元氣コーヒー」は、一般の皆様も気軽にご利用いただけます。
こだわりのオーガニックコーヒーやカラキティー、地元の田芋スイーツを味わいながら、人々の温もりと地域の魅力にあふれる「元氣コーヒー」で、心も体も元気になってみませんか?
団体情報
光と風の和 はんぱたやー
〇所在地: 沖縄県国頭郡本部町字伊野波484番地
〇公式サイト:https://genki-fukushi.com/
カフェ 元氣コーヒー
〇営業日:月~金 11:00~15:00(15:00以降は不定期)、土 11:00~17:00
〇所在地:沖縄県名護市中山559-1
〇公式サイト:https://genki-fukushi.com/genki-coffee/
「おきなわSDGsプラットフォームサイト」に関するお問い合わせ先
【おきなわSDGs プラットフォーム事務局】
E-mail: platform[@]okinawa-sdgs.jp