おきなわSDGs プラットフォームおきなわSDGs プラットフォーム

お知らせ

【イベントレポート】カーボンニュートラル×ビジネス

REPORT / 2025.11.21

<第3回 おきなわSDGsプラットフォーム セミナー>

2025年11月13日(木)、沖縄空手会館にて、【カーボンニュートラル×ビジネス】と題し第3回おきなわSDGsプラットフォームセミナーを開催いたしました。

本イベントでは、講師に中小企業アドバイザーの小野奈都美氏を迎え、世界的な潮流におけるカーボンニュートラルの考え方や、企業の事業活動との深い繋がりについてお話しいただきました。

また、県内4つの企業による先進的な取組事例も紹介し、企業経営においてカーボンニュートラルをどのように取り入れていけるのか、その具体的なヒントをお伝えしました。

△会場の様子

<プログラム>
講師・小野奈都美氏 講演 
県内の取組み事例

 ・沖縄県環境再生課「沖縄県における気候変動対策」
 ・沖縄県環境科学センター「J-クレジット制度の紹介」
 ・青い海「製造業におけるCO2削減の取組」
 ・しんきん地域創生ネットワーク様「沖縄県クリーンエネルギー導入ワンストップ相談窓口の紹介」

●講師:中小企業アドバイザー小野 奈都美 氏(独立行政法人中小企業基盤整備機構沖縄事務所)

①カーボンニュートラルってなに?

カーボンニュートラル=「温室効果ガスの排出量から、森林・森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること(ネットゼロ)」などのカーボンニュートラルの基本的な知識や、「排出量を減らし、吸収量を増やす一般的な考え方やその方法」を共有しました。


②カーボンニュートラルはなぜ重要?

人為的な温室効果ガスの増加と、地球規模の気候変動による被害が強く密接に結びついていることを前提に、世界各地での異常高温、大雨・洪水、干ばつ・山火事など、農作物の品質・生産量低下などに大きく影響するほか、人体に対する影響、具体的な経済損失の事例が挙げられ、有効対策の早急な実行が重要であることを伝えました。


③カーボンニュートラルをめぐる動き

現在定められている世界共通の目標、
「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度以内に抑える努力をする」
それを達成するために日本が定める目標、
「2050年 ネットゼロ カーボンニュートラル達成」
を共有し、日本の企業が担うべきカーボンニュートラルへの意識づけが行われました。


④企業が求められるカーボンニュートラル

中小企業製品における製造や販促、物流の過程等で発生する排出ガスに対して、近い将来、納品先の大手企業からCO2排出量を求められる可能性があることなどを共有。企業活動で発生する排出ガスの総排出量(=サプライチェーン排出量)を正しく理解・認識し、適切に取り扱う必要があることを伝えました。


⑤カーボンニュートラルをビジネスに活かす

想定していたCO2量に対し削減できたCO2量をクレジット化し、想定していたCO2を超過してしまった企業へ販売することで、クレジットを購入した企業のCO2超過分をカバーするなど、企業の業種による収益とは異なる資金調達源として活用できる例などをお話しいただきました。

これまで、企業にとって「コスト増加」や「あくまでCSR活動」という認識が強かった「気候変動対策」は、今や「リスク低減と成長のチャンス」として経営上の重要課題となりうるものとなりました。

気候変動対策の視点を企業経営に練り込んだ「脱炭素経営」として、「カーボンニュートラルの潮流を知ること」「自社のCO2排出量を算定すること」「CO2削減計画を検討し、実施計画を策定すること」などに取り組む企業が増えることを予測し、県内におけるカーボンニュートラルへの機運醸成を展望としました。

温室効果ガスを削減する「緩和策」および、気候変動影響による被害を防止・軽減する「適応策」、2つの気候変動対策についてを紹介いただきました。さらに沖縄における気候変動の現状として、気温・海面水位の変化や降水量の変化などを挙げ、課題解決のため沖縄県として定める計画を共有いただきました。


省エネ設備の導入や省エネ活用などによる温室効果ガスの削減や、森林管理による温室効果ガスの吸収を「クレジット」化する、Jクレジット制度の仕組みについてご紹介いただきました。また、CO2排出量に見合った削減活動に投資することで、排出される温室効果ガスを埋め合わせる(オフセットする)、カーボンオフセットの考え方を伝え、具体的な活動に繋げるための活用例を共有いただきました。


工場のリニューアルにあたり、製塩のための釜を新調するなどし工場等製造設備の更新によるCO2排出量の削減に関する取り組みをご紹介いただきました。県内で初となるPIF(ポジティブ・インパクト・ファイナンス※1)を利用し、資金調達を実施。さらに社内でサステナビリティ推進委員会を立ち上げ勉強会を開催するなど、会社全体の取り組みとして注力する姿勢を現しました。

※1)企業活動が環境・社会・経済に与える影響(ポジティブ・インパクトとネガティブ・インパクト)を包括的に評価し、ポジティブ・インパクトの増大とネガティブ・インパクトの低減を支援する融資手法。


沖縄県でクリーンエネルギーの導入拡大を推進することを目指し設置された、クリーンエネルギー導入ワンストップ相談窓口についてお話しいただきました。離島での再生可能エネルギー導入促進事業補助金の運営等支援や、クリーンエネルギーに関する情報提供・補助事業相談対応などをサポートし、クリーンエネルギー設備の導入拡大促進の一助としています。

<クリーンエネルギー導入ワンストップ相談窓口>
■問合せ先:しんきん地域創生ネットワーク株式会社
■電  話:050-1750-0910
■メ ー ル:1stop-energy.okinawa@e-scb.co.jp
※電話受付時間:平日 9時~12時 13時~16時(土日休み)
■ホームページ:こちら

【おきなわSDGsプラットフォーム事務局】(株式会社アカネクリエーション内)
 E-mail / sdgs-pf@akane-ad.co.jp

「おきなわSDGsプラットフォームサイト」に関するお問い合わせ先


【おきなわSDGs プラットフォーム事務局】E-mail: platform[@]okinawa-sdgs.jp