<第2回 おきなわSDGsプラットフォーム セミナー>

2025年11月6日(木)、沖縄県立図書館 3Fホールにて、第2回おきなわSDGsプラットフォームセミナー『こどもの未来に、一歩踏み出す協働体験!』を開催いたしました。
本イベントは、「こどもの貧困」という1つの大きな課題を構成している、教育・家庭環境・地域とのつながりなど、複合的に絡み合う社会課題を見つめ、その解決方法について沖縄県全体で考え協働するイベントとして開催しました。
なかでも、課題要因を“見える化”し、解決への道筋を描く手掛かりとなる「沖縄みらい地図アクション」の考え方は、参加者一人ひとりが「こどもたちの未来のために、自分は何ができるのか」という問いに向き合い、立場や分野を越えて対話する協働のきっかけとなりました。
参加者は、こどもたちを支える活動に継続的に取り組む団体とのグループワークを実施。参加者同士で現場のリアルな課題感を共有しながら、「こどもの貧困」の根本的な解決につながる視点や、新たな連携の可能性について、活発な意見交換が行われました。

<プログラム>
● オープニング
● 沖縄みらい地図アクションとは?
● 団体ピッチ(現場から課題や協働ニーズを共有)
・シングルマザー支援<(株)フォーデジット、(株)うむさんラボ>
・体験格差支援<(公社)チャンス・フォー・チルドレンハロカル沖縄事務局>
・若者支援<NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい>
・居場所支援<沖縄こどもまんなか居場所ネットワーク(おきこまネット)>
● ワークショップ
● 学びや気づきの共有・ふり返り
● クロージング
「沖縄みらい地図アクション」とは?
はじめに、「沖縄みらい地図アクション」の概要について、ケイスリー株式会社さんよりご説明いただきました。


〜「沖縄みらい地図」作成とその役割〜
こどもに関わる課題に向き合う71団体・104人へのインタビューから課題構造を分析。さらに4回のワークショップを経て「沖縄みらい地図」は作成されました。
こどもの貧困を構成する様々な要因・要素を整理する方法として、ループ図形式を採用している「沖縄みらい地図」は、課題全体を俯瞰的に眺めることができ、問題が起きている構造や相互作用を体系的に理解することで課題解決への手掛かりとしています。

〜課題の全体像や仮説を共有〜
「沖縄みらい地図」での見える化により、こどもの貧困を構成する要因属性を明確化。それまでは認識できなかった「支援をする側の課題」「行政側の課題」「当事者との関係性」のほか、「県民性」「地域の課題」「戦争の影響」など、より根深い要因の仮説・分類ができるようになりました。
また一見すると関連性がない要素同士においても、長期的に影響を与え合う位置関係であることに注視し仮説を深めることで、連鎖する課題の”見える化”を実現できました。
<課題の連鎖を仮説した例>
体験活動がこどもに与える影響から生まれる様々なループ
●体験がこどもに及ぼす影響のループ
●体験とつながりが強化し合うループ
●こどもの選択肢が広がらず世代間で貧困が連鎖するループ

〜今後の方向性を共有〜
今年度以降、こどもに関わる活動を「拡げる」「深める」ことに注力するため、以下の取り組み方針を掲げています。
①沖縄におけるこどもの諸課題の根本的な課題解決に向けた協働の推進
②協働ワークショップ開催(全4回)
③部署間や組織間、セクター横断による協働の伴走支援
「複雑に絡む社会課題の全体像を解きほぐし、根本的な課題解決に向けてみんなで考え、みんなで協働する」ため、よりサステナブルな協働活動を強化・継続するビジョンを伝えました。
「団体ピッチ」
現場の課題や協働ニーズの共有
次に、こどもの貧困解決のための様々な活動を実施している団体から参加者へ、その活動の背景やきっかけを共有しました。
「誰の、どのような痛みに、どのように寄り添っているのか」等の具体的な現状の共有と、活動を通して感じている新たな課題・協働ニーズを参加者へ伝えました。
〜シングルマザーを巡る課題〜
テーマ:シングルマザーが希望をもって働ける沖縄にするために私たちにできることは?
<(株)フォーデジット、(株)うむさんラボ>
沖縄県におけるシングルマザーの数や平均収入、雇用形態などの現況から、「経済的貧困」「文化的貧困」「社会的貧困」の3つの異なる性質を持つ貧困の形を分析。それぞれの原因に対し「支援金や物資による支援」や「働く力(スキル)の強化」「繋がり強化」のアプローチができる取組み「MOM FoR STAR」をスタートさせ、シングルマザーの働く力と繋がりを育んでいます。

〜体験格差支援〜
テーマ:こどもの体験格差をなくそう(子どもの体験奨学金ハロカル)
<(公社)チャンス・フォー・チルドレンハロカル沖縄事務局>
経済状況や一人ひとりの特性に関わらずこどもたちを多様な学びの機会によって包摂できる社会を目指す、チャンス・フォー・チルドレンハロカル沖縄事務局さんから、こどもの体験格差解消に向けたプロジェクト「ハロカル」をご紹介いただきました。体験活動に特化した「ハロカル奨学金」を、経済的困難を抱える家庭のこどもたち(主に小学生)に提供し、子どもたちに体験の機会を届けています。

<(公社)チャンス・フォー・チルドレンハロカル沖縄事務局>
〜若者支援〜
テーマ:不登校やひきこもりの若者たちの社会参加を支援
<NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい>
「すべての人の尊厳が守られ、認められている社会」を目指すべき未来としてビジョンに掲げる、NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいさんから、若者の社会参加を支援する様々な取り組みについてをご紹介。こどもに関わる支援者の資質向上やこどもの権利普及に取り組む事業「ちゅらゆい」、また経済的困難な状況にいるこどもたちの体験支援を行う「kukulu」などの多角的な支援を通して、若者たちが自ら集いつながりながら、共に社会を変えるパートナーとして活動できる土壌作りに取り組んでいます。

<NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい>
〜居場所支援〜
テーマ:すべてのこどもが自分らしく。居場所と企業のマッチング。
<沖縄こどもまんなか居場所ネットワーク(おきこまネット)>
こどもを支援の対象としてではなく活動の中心に据え、「こどもまんなか」の視点から、その声や想いを尊重しながら居場所づくりを進める「おきこまネット」。行政や関係団体と連携しながら「こどもの居場所」の存続と質の向上に向けて実践的な支援を共に考え、提供していくことを目的としています。それぞれの居場所で多様な活動が行われるなか、共通の仕組みやルールの整備、またこどもたちを支援する地域や団体の横のつながりの重要性についてを伝えました。

<沖縄こどもまんなか居場所ネットワーク(おきこまネット)>
ワークショップ
〜どのような協働活動ができるか〜
次に参加者は「団体ピッチ」で共有された課題テーマのうち、より強く関心を向けるテーマごとに分かれたチームとなりワークショップを実施しました。ここでは「どのような協働活動ができるか」「先に課題のどの部分を解決するべきか」等のアイデアを出し合い、最終的に「誰の何のためにどのような活動をするか」を具体化しました。




ふり返り
〜学びや気づきの共有〜
最後に、ワークショップで出されたアイデアについてどのように感じたか、また実現するために何が必要か、今後の展望を共有しました。


参加者の声
● 主催や運営が協力・連携して、継続することが必要だという話に共感しました。
● 沖縄で子どもに関わるサステナブルな取り組みに興味のある人たちと繋がるきっかけとなった。
● 色んな方々と対話し、多くのアイデア、課題を共有することができました。
● シングルマザーの支援、就労や子どもたちが自立に向けて前進する取り組み等セミナーもあれば受講したい。
皆様、ご参加いただき誠にありがとうございました。
「第2回おきなわSDGsプラットフォームセミナー こどもの未来に、一歩踏み出す協働体験!」に関するお問合せ先
【おきなわSDGsプラットフォーム事務局】(株式会社アカネクリエーション内)
E-mail / sdgs-pf@akane-ad.co.jp
「おきなわSDGsプラットフォームサイト」に関するお問い合わせ先
【おきなわSDGs プラットフォーム事務局】E-mail: platform[@]okinawa-sdgs.jp