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お知らせ

【事例紹介】環境と調和した快適な住宅の普及と、連携によるSDGsの推進

REPORT / 2025.07.24

株式会社大成ホーム

美ら島開発事業部 前原みのりさん

建築部工務課   喜屋武麻美さん

 令和5年度の「第1回おきなわSDGs認証制度」で認証された企業である、「株式会社大成ホーム様」について、同認証制度で認証された取組を中心にご紹介します。

 併せて、現在2025年6月~7月で募集中である、「第3回おきなわSDGs認証制度」へ申請を検討している団体の方へ向けての、メッセージもいただきました。

■沖縄の風土に寄り添い、人々と未来を紡ぐ

 大成ホームは昭和61年に浦添市城間で誕生し、2026年には創業40周年を迎えます。「沖縄県民に手が届きやすい価格で、高品質な住宅を提供したい」という考えの下に創業し、新しい豊かな住まいづくりに貢献する企業として、平和の邦である美ら島おきなわに根を下ろし人々と共に未来を拓く事業を展開してきました。

地域とともに成長し、多様な価値観を尊重する社会を築くとともに、自然と調和する住まいで持続可能な未来を創造することを目指しています。

 当社は、SDGsの目標期限である2030年に向けて、3つのビジョンを掲げています。

①地域とともに成長する未来

 私たちは、沖縄の経済と地域社会の活性化を支え、地元企業や人々と力を合わせながら共に成長していきます。

②誰もが輝ける社会

 すべての人が自分の力を発揮し、安心して働ける職場をつくることで、多様性を尊重した豊かな社会を目指します。

③環境と調和した暮らし

 環境に優しい家づくりを通じて、家計にも地球にも優しい暮らしを広げ、持続可能な未来を実現します。

■環境と調和した暮らしの普及を目指して

 大成ホームは、美ら島沖縄の自然環境を大切にした、新しい豊かな住まいづくりを真剣に考えています。
その一環として、沖縄県内での「ZEH住宅」の普及を目指して取り組んでいます。

 ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、住まい全体の年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅です。高断熱や省エネ設備、そして太陽光発電などの創エネ(エネルギーを作る)技術に加え、蓄エネルギーシステムを活用することで、発電した電力を効率的に貯めて必要なときに使えるようにし、エネルギー効率を最大限に高めた設計が特徴です。

 当社は、おきなわSDGs認証取得をきっかけに考案した、環境に配慮した規格住宅「レキオ・クール」の販売を開始しました。「レキオ・クール」は、県内の電力会社である沖縄電力の、太陽光と蓄電池を無償でリースできるサービス(かりーるーふ)も活用しています。その他にも大成ホームパックなど、選べるプランを提供することで、ZEH住宅を選ぶハードルを下げたいと考えています。

 ZEH住宅は、未だ沖縄県内での普及率が低く、社内外での様々な取組により普及展開を図っています。

普及に向けて、まずは社内の取組として、全社員がZEHの考え方を理解し関与できることを目標とし、ZEH住宅推進のための社内勉強会の開催や、外部の研修会への参加を行っています。

先日は、琉球大学へ訪問し、ZEH等について意見交換会を実施しました。琉球大学もZEHに関する研究に取り組んでいることから、お互いの知見を共有するために勉強会という形で開催に至り、琉球大学内の実験棟等も見学させていただきました。全国と比較して沖縄県ではZEH住宅の普及率が低いという課題を踏まえて、「学」からの意見をいただくことができ、普及に向けて産学が連携する一歩になったと感じています。

また、2025年10月には、「レキオ・クール」のモデルハウスが読谷村に完成予定であり、モデルハウスも活用してZEH住宅の一層の普及展開を図っていきたいと考えています。

 国が「2030年までに新築住宅のZEH水準の義務化」を目指していることや、SDGsの目標年度も2030年であることを踏まえ、2030年に向けて沖縄県内のリーディングカンパニーとして、ZEH住宅の普及に取り組みます。

写真:「レキオ・クール」に関する案内資料

■やんばる地域を含む、誰もが快適に住める環境の整備

 沖縄県内のやんばる地域等の農山漁村地域は、人工や材料費に関する遠方追加料金が発生する場合があること等から、住宅建築の営業対象エリア外とされるなど、住宅建築のハードルが高いという状況があります。これにより、住みたいと思う場所に住宅環境が無く、地元を離れ生活する人も少なくありません。

 大成ホームは、そうした地域にも「手が届きやすい価格で、高品質な住宅を提供し」、定住促進に貢献することで地域活性化を図っています。

沖縄県本島内でも特にやんばる地域等の北部地域においては、近隣に事業者がいないこと等からも、一般的に建築が難しいという課題があります。しかし当社は北部地域における建築も受注しており、沖縄県本島内の全ての地域において、「住宅建築2棟以上の建築」を行うことを目指しています。

各エリアでの施工に対応し早期着工・引渡しを実践するために、本社だけではなく、拠点(名護市)での現地採用も進めています。現在までに11名(技術者6名、事務員2名、設計1名、営業1名、積算1名)の社員を雇用しており、建築施工管理や積算業務等に従事しています。

 2025年6月時点で当社は、沖縄県本島26市町村のうち22市町村において2棟以上の建築を行っており、残りの4村のうち大宜味村以外においては、1棟は既に建築済みです。

2025年4月には、宜野座村で完成見学会を行い、北部地域の方にも完成した住宅をご覧いただける機会を設け周知を行いました。注文住宅であることから、完成した住宅を周辺の地域の方々に見学していただくことで周知することが多いため、住宅の絶対数が少ない北部地域では周知も難しいという課題があります。そのため完成見学会だけではなく、住宅相談会のようなイベントも北部地域で開催できるように検討を進めています。

 また、前述のとおり、「レキオ・クール」のモデルハウスが読谷村に建築されるため、名護支店とも連携しながら北部地域における建築に向けて取り組んでいます。

写真:北部地域で施工した物件写真

■積極的な連携等による更なるSDGsの推進

 大成ホームは、沖縄県庁が認証する「おきなわSDGs認証制度」の第1回認証団体です。

 申請にあたっては、大企業と異なりSDGsに関する専門の部署を設けることが難しいという環境の中で、他部署を巻き込んだ情報や資料の収集に時間を要し、苦労しました。そこで、当社では組織横断型の「SDGs推進委員会」を立ち上げて、幅広い関係者が参加してSDGsに関する取組を検討できるようにしています。

こうした組織の立ち上げに加えて、本業の仕事にプラスアルファで行うSDGsに関する活動に対して、積極的に取り組むための動機付けも重要と考えています。当社では月1回の全体会議において、認証制度に申請した5つの取組に関する進捗状況を全社員に共有し、SDGsに関する取組への社員の意識を高めることを図っています。

 前述した取組以外では、特に「人材育成」に注力しており、自主勉強のために会議室を開放するとともに、その会議室に各社員が本を持ち寄り提供できるようにし、自己研鑽できる場所を設けています。

また、当社社員向けの様々な勉強会に加えて、当社社員だけではなく当社の協力業者の方も参加が可能な、資格等に関する勉強会を開催する予定です。元請企業の責任として、協力業者の安全と発展に向けた仕組みづくりを行い、沖縄社会全体で誰一人取り残すことなく持続的に発展させることを目指しています。

 認証をきっかけに外部のセミナーやイベント等に参加することも増えています。2024年12月には、沖縄県で開催されたSDGs全国フォーラムへ当社からも出展し、当社のSDGsに関する活動を周知することやZEHを普及することを目的とした、展示を行いました。

前述した琉球大学との意見交換会は、SDGs全国フォーラムでの情報交換をきっかけに開催に至りました。その他にも、SDGs全国フォーラムをきっかけに、沖縄県ユネスコ協会が発行する「SDGsパスポート」の取組も始めました。第1回の活動としては、「慰霊の日」の前に、他団体と協力し慰霊碑の清掃活動を行いました。「SDGsパスポート」も活用して社員のSDGsに関する意識を更に高め、今後ビーチクリーン等の活動にも取り組んでいく予定です。

 このように積極的に沖縄県内の団体等と関わりを持ち、当社のスキルアップもしながら、更にどのようなSDGsに関する活動ができるのかを検討していきたいと考えています。

写真上:社内勉強会の様子

写真下:SDGs全国フォーラムにおける説明の様子

 申請を迷っている団体様には、ぜひ認証制度にチャレンジいただき、認証団体として連携して共に沖縄県のSDGsを推進していければと思います。

(参考)おきなわSDGs認証制度の詳細についてはこちら

株式会社大成ホーム

所在地:本社 〒901-2131 沖縄県浦添市牧港3丁目39番11号

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