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お知らせ

【事例紹介】沖縄と共に育ち、観光振興になくてはならない存在であり続ける

REPORT / 2025.06.12

沖縄JTB株式会社
総務企画部 根路銘 加奈子さん
総務企画部 新屋 保さん

 第2回認証制度で認証された企業のうち「沖縄JTB株式会社」について、同認証制度に申請された取組をピックアップしてご紹介します。

 沖縄JTB株式会社は、110年以上の歴史を持つ株式会社JTBのグループ企業として、沖縄県に根差して35年以上活動しています。国内外含めた旅行事業や旅行商品仕入業務に加えて、国・自治体と共に事業を行う公務営業、地域活性化事業、観光情報誌の発行、観光案内所や空港ラウンジの運営等、事業領域は多岐にわたります。

 当社は、“沖縄と共に育とう”をスローガンに、「沖縄の経済発展実現に観光を基軸として貢献する」を経営理念として掲げています。2030年までに全てのステークホルダー(社員・お客様・事業パートナー様・地域社会)と共に、それぞれのサステナブルな活動に貢献しながら、沖縄の観光振興になくてはならない存在であり続けることを目指しています。具体的には、2026年度までに以下の5つの活動・取組に注力し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

①デジタルを活用した県内観光事業者の成長支援(経済) 
②社員の働きがい向上(社会) 
③環境保護・生物多様性保全(環境)
④健全性、透明性、効率性の高いガバナンス(ガバナンス)
⑤沖縄伝統文化・芸能保護育成(地域社会への貢献) 

デジタルソリューションと人(社員)の力で、沖縄県の観光事業者をつなげる

 当社は、観光業界におけるデジタル化と販売促進の支援を行っています。

 主な取り組みとしては、観光事業者同士が連携し、複数の施設や体験コンテンツを組み合わせた共通券・周遊券の企画・造成を積極的に行っています。代表的な商品の一つである「美ら海とくとく5パス」は、「沖縄美ら海水族館」の入場券と、県内で人気のある観光施設15施設の中から任意に選んだ4施設の入場券のセットをお得に購入することができます。このような商品の企画・造成では、顧客のニーズに合わせて、各観光事業者の条件をとりまとめ商品に反映させていくプロセスが必要です。当社は本共通券・周遊券造成の取り組みを通じて旅行者の満足度向上や滞在時間の延長に寄与しつつ、参画する観光事業者の収益性の向上にも取り組んでいます。

 さらに当社では、観光事業者と販売事業者をつなぐ「チケットHUB」や「JTB BÓKUN」といったプラットフォームの導入支援を行っています。これにより、入場施設のチケットや体験型アクティビティの商品をオンラインで販売できるようになるほか、予約や在庫の一元管理も可能となります。こうした仕組みを導入することで、観光事業者と販売事業者の双方にとって、業務の効率化と販売機会の拡大が実現できています。現在、沖縄県内では150を超える事業者がこれらのプラットフォームを活用しています。

 加えて、観光客がこれらのチケットや周遊券をオンラインや現地(沖縄県内)で手軽に購入できるようにするため、販売チャネルの拡大にも力を入れています。販売の機会を増やすことで、観光需要の最大化を図っています。

左図:美ら海とくとく5パス(2025年度版)
右図:「チケットHUB」によって簡単にオンラインチケットを販売でき、販路も手間なく拡大できます

沖縄伝統芸能イベント「杜の賑い沖縄」の連続開催

 当社は、JTBグループイベント「杜の賑い沖縄」の企画・運営に取り組んでいます。本イベントは、「地域に埋もれた、あるいは忘れ去られようとしている郷土の祭りや芸能を見つけ出し、掘り起こし、時と場所を選ばず一堂に集めて展開し、旅の中でお楽しみいただく」をコンセプトに掲げ、沖縄伝統芸能と民俗芸能の舞台を中心に構成されています。

 沖縄伝統芸能の第一線で活躍する舞踊家の方々から伝統を受け継ぐ高校生まで、約500人の演者が息を合わせ、一つの舞台を創り上げる本公演は、沖縄県における伝統文化・芸能の保護育成や若者たちの創作芸能への芸術支援に貢献するものとなっています。沖縄県内では、これまで昭和59年より、通算し40回公演しており、今年度は令和8年1月24日の公演に向け、準備をしております。

 昨年度の40回記念公演は、琉球芸能を専門とする名城一幸さんを演出・企画担当として迎え、舞台運営や照明、音響などすべてを沖縄県在住の方々の協力で作り上げました。また、「杜の賑い沖縄」初の試みとして、沖縄県立南風原高等学校の生徒も演者として参加しました。同校・郷土文化コース生の生徒及び卒業生による演舞や地謡は、将来の伝統芸能の担い手としての存在感を示しました。

 今後も、伝統文化・芸能の保護育成や若者たちの創作芸能への芸術支援への貢献にとどまらず、地域創生、地域活性化事業の一つとして、「杜の賑い沖縄」を継続して参ります。

左図:沖縄開催40回目となる記念公演では、約500名の出演者にご参加いただきました
右図:艶やかな紅型衣装に身を包んだ「四つ竹」の演舞が、大勢の観客を魅了しました

今後の展望

 沖縄JTB株式会社は、沖縄県が認証する「おきなわSDGs認証制度」の第2回認証団体として認証され、おきなわSDGsプラチナパートナーとして活動しております。

 当社のスローガン“沖縄と共に育とう”には、社員・お客様・事業パートナー様・地域社会といったステークホルダーと共に育とう、という意味が込められています。おきなわSDGsプラチナパートナーとして、事業共創を推し進めることを通して、このスローガンを具現化していきたいと考えています。

 また、SDGsに関する情報発信も、事業共創を推し進める中で自ずと強化されていくと考えています。第1回・第2回合わせて19団体のおきなわSDGsプラチナパートナーの一員として、小さなことからでもチャレンジしていきたいです。

第3回認証制度への申請を検討している企業・団体へのメッセージ

 申請書の作成や、事務局ヒアリングの対応を通して、SDGsに関して当社が取り組んできた内容を評価されたことが自信につながりました。それと同時に、自社の課題が可視化され、今後の取組方針も明確になりました。

 自社・自団体の、SDGsに関する取り組みを整理する機会として、「おきなわSDGs認証制度」を活用してみてはいかがでしょうか。

(参考)おきなわSDGs認証制度の詳細についてはこちら

沖縄JTB株式会社
所在地:〒900-0029 沖縄県那覇市旭町112番1
ホームページ:沖縄JTB株式会社