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お知らせ

【事例紹介】沖縄を支えるでんきの会社―地域レジリエンス強化への取組み

REPORT / 2024.05.27

株式会社 那覇電工
代表取締役社長 比嘉幸宏さん
常務取締役   宮城淳也さん

 第1回認証制度で認証された企業のうち「株式会社那覇電工」について、同認証制度に申請された取組をピックアップしてご紹介します。

創業49年 沖縄を支えるでんきの会社

 株式会社那覇電工は、電気事業に関する業務の請負施工、電気設備の維持管理業務、電気通信設備やその他電気工事全般をする企業で、2024年5月15日をもって創立49周年を迎えました。当社は1975年の創業以来、民間・公共の内線電気工事、沖縄電力㈱の協力業者として配電・送変電・地中線などの工事を通じ、お客さまに安心・安全・快適なインフラ環境を提供するという大きな使命を担ってまいりました。安心・電気を繋ぐ現場・沖縄電力の電力設備(変電、配電、地中線)等をフルラインでサポートしています。

 当社は、SDGsの考えに賛同し、持続可能な世界の実現を目指して、再生可能エネルギー普及促進、誰もがいきいきと活躍できる環境づくり、地域社会の一員としての安心安全なまちづくり、多様な組織・企業間でのパートナーシップ締結など、様々な取り組みにチャレンジしています。

 また、当社の経営理念である「社員とその家族の幸福を追求する」「お客様に信頼されるベストパートナーになる」「地域社会への貢献と地球環境の保全に寄与する」を達成し、わくわくした笑顔溢れる会社の環境づくりを進めており、「沖縄県ワーク・ライフ・バランス企業認証制度」および「沖縄県人材育成企業認証制度」といった、沖縄県の他の認証も取得しています。

防災・復旧のための地域との協力

 当社では、経営理念の一つである「地域社会への貢献と地球環境の保全に寄与する」を実現すべく、地域連携の取り組みとして、加盟団体が締結している防災及び復旧支援協定における役割を担い協力を行っています。
総合事務局、沖縄県、那覇市とは、沖縄県電気管工事業協会(総合事務局と沖縄県:国や県の主要施設の災害時支援)、那覇電気管工事業協会(那覇市:那覇市の主要施設の災害時支援)にもとづき、支援協定を結んでいます。また、当社の営業所の所在地である八重瀬町とも、災害時支援協定および災害後の公共施設清掃等の協定を締結しています。

 2023年7月には、当社の本社の所在地である豊見城市与根自治会と、災害時支援協定を締結しました。災害時に、当社が与根自治会に対し「太陽光発電設備とEVカーを利用した電源供給」および「地域住民の一時避難場所の提供」を行うというものです。豊見城市内にある本社構内の駐輪場に太陽光発電設備およびEVカーの充電設備を設置することで、災害時に地域の方々に電源として設備を使っていただくことや、地域の避難所へEVカーを送り電源として活用いただくことができるようになりました。EVカー1台で、一般家庭3日間分ほどの電力を賄うことが可能です。現在のEVカー台数は1台ですが、今後2台ほど増やそうと考えています。また、当社の倉庫上の控室を住民の一時避難所として活用いただくことも可能になりました。2025年までに、同協定に沿って地域の方々との訓練を実施することを目標に、与根自治会との調整を進めています。訓練では、当社が提供する一時避難場所への避難経路の確認や、EVカーからの電源供給の方法の確認などを実施する想定です。

 さらに、与根自治会における上記の取組を、豊見城市へ展開したいと考えています。その足掛かりとして、2024年3月に、豊見城市と「災害時支援協定」を締結しました。災害時等における、電気自動車等からの電力供給に関する協定です。加えて、豊見城市とは、2024年1月に「CO2排出量の削減権の移譲に関する覚書」を交わしており、太陽光発電による自社への電力供給・電気自動車の使用・施設の省エネ化などを通して、地域のCO2削減に貢献しています。今後は、豊見城市内の長嶺中学校区にて地域防犯懇談会を開催することや、豊見城ニュータウン地区においてお年寄りの詐欺被害防止セミナーを開催することを目標として、調整を進めています。地域の課題を共に解決していければと考えます。

写真左:豊見城市との「CO2排出量の削減権の移譲に関する覚書」締結式

写真右:豊見城本社(与根)の外観

事業活動による環境負荷の低減に向けた取組と、取組に関する情報公開

 当社は、環境省が策定した「エコアクション21」の認証・登録を2008年10月に取得しました。当社は電気工事業として、事業活動に伴う環境への負荷を低減するため、環境に配慮した施工、CO2の削減・資源の再利用、社会貢献活動といった事項に取り組んでいます。さらに、当社の「エコアクション21」への取組結果を環境活動レポートにまとめ、公表しています。

 特に、カーボン・オフセット(※1)の考え方に則った「CO2排出ゼロ現場」の実施及び継続に注力しています。沖縄県企業局・琉球大学・株式会社青い海などの排出権創出者から創出された排出権を、沖縄県環境科学センターを経由して購入し、当社が現場で排出したCO2がゼロとなる「CO2排出ゼロ現場」を、公共工事を中心に実施しています(なお、株式会社青い海および沖縄県環境科学センターは、「おきなわSDGs認証制度」の第1回認証団体です)。また、排出権購入金の一部について、サンゴ礁保全協会やイリオモテヤマネコやヤンバルクイナ保護団体の活動費として寄付を指定することで、保護及び保全活動の一助となっています。さらに、各現場担当者にて現場での排出量を想定し、事前にオフセットを行い、CO2排出ゼロ現場の表示を掲出し啓蒙活動へつなげています。2014年に本取組を開始して以来、累計37件210トンのCO2削減実績があります。

 今後は、上記のような公共工事に加えて、ビーチクリーン活動やスポーツ大会などの各種イベントにおいても、会場に来るまでの車で使用したCO2などを対象にカーボン・オフセットを実施していきたいと考えています。直近のイベントとしては、今年度中に一般社団法人沖縄県サッカー協会が金武町にて実施予定のパラサッカーフェスティバルにて、カーボン・オフセットを実施して広報を行うことを計画しています。また、環境負荷の低減に向けた活動への参加も、積極的に行っていく予定です。一例として、サンクスラボ株式会社と糸満漁協与根支部が中心となって実施する「里海プロジェクト」の珊瑚の苗作りに、当社社員および社員家族で参加する予定です。

写真左:瀬長島ボランティアの様子    写真右:八重瀬高所作業車試乗の様子


写真左:カーボン・オフセット証明書 写真右:サンゴ礁保全協会への寄付感謝状


今後の展望

 株式会社那覇電工は、沖縄県が認証する「おきなわSDGs認証制度」の第1回認証団体として認証され、おきなわSDGsプラチナパートナーとして活動しております。

 『SDGs(Sustainable Development Goals(サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ))』というのは、世界を変えるための17の目標であり、世界の国々が『同じ地球に住む以上、これだけは一緒に取り組んでいきましょう』と決めたものです。サステナブル(持続可能な)という言葉には、地球が私たちの住み続けられる環境であり続けるという意味であると同時に、私たちが息切れせずに取り組み続けられることをしようという願いが込められていると考えます。

 当社の各種取組が新聞記事等に取り上げられたこと、またその反響が大きかったことについて、嬉しく思っています。当社は、SDGsの考えに賛同し、持続可能な世界の実現を目指して、これからも会社全体として様々な取り組みにチャレンジしてまいります。今後は、市商工会とコラボして、点から線、いずれは面的に豊見城市全体のレジリエンスを高めていくために、賛同する企業や自治会を増やしていきたいと考えています。

 「企業は人なり」を念頭に、これからも地域社会に貢献し社会に求められる企業へと邁進していく所存です。

※1 カーボン・オフセット:日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。

株式会社 那覇電工
所在地:本社  〒901-0224 沖縄県豊見城市字与根331番地
本店  〒900-0031 沖縄県那覇市若狭 3丁目15番1号
営業所 〒901-0401 沖縄県島尻郡八重瀬町字東風平1384番5号
ホームページ:株式会社 那覇電工