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お知らせ

【事例紹介】「世界一サンゴと人にやさしい村」の持続可能な地域づくり -後編-

PROJECT / 2024.01.14

前編では「サンゴの村宣言」と恩納村が取り組むSDGs活動についてご紹介いたしました。後編では、地元の子どもたちと一緒に活動するSDGsな取組についてご紹介いたします。

【前編:https://www.okinawa-sdgs.jp/news/3247/

恩納村教育委員会 学校教育課 学校教育係
係長 新垣 良子さん

■子どもたちと地域課題を考える

 恩納村では、2018年に「サンゴの村宣言」を行い、さらに「SDGs未来都市」に選定されたことで、村全体でSDGsに取り組もうという流れが強くなり、学校の教育現場でできるSDGsの取組を考え、うんな中学校の3年生と一緒に恩納村の魅力発信や地域課題の解決に向けた「UNNA魂プロジェクト」という取組をスタートしました。

 子どもたちのやわらかい発想で考えてもらったらいろんなアイデアが出るのではないかと始めたのがきっかけで、今年で3年目になるこのプロジェクトは、総合的な学習の時間を26時間使って、パートナー企業や地元農家、行政と連携して取組を行うことで、子どもたちが考えたアイデアを実現に繋げていきます。


■プロジェクトの主体は“子どもたち”

 「UNNA魂プロジェクト」が始まった令和3年度には「恩納村は観光宿泊地として人気は高いが、特産品などお土産として消費される商品が少ない」という課題に対して、恩納村の特産品を使った酢飲料とお菓子、海にやさしい日焼け止めを開発しました。
 どの商品も、はじめにパートナー企業・団体から商品に関する知識を教えてもらい、その内容を踏まえて各グループでアイデアを出し、コンペティション形式で企画を決めていきます。その後も子どもたちのアイデアと実現可能性をパートナー企業・団体とすり合わせながら、子どもたちが主体となって、企画を実現する方法を考えます。
 恩納村で採れたパッションフルーツを使った酢飲料「パッと酢まいる」の開発時は、生徒たちが農家の所得向上や収穫量の増加などを考えて、コストや売価は上がるけど、100%恩納村産のパッションフルーツを使おうと決めていました。
 このように、商品の企画や原料、味、パッケージのデザイン、さらに売価まで、パートナー企業・団体の力をかりながら、子どもたちが主体となってアイデアを出し、意見交換して形にしていき、実際に商品化され、おんなの駅で販売もしました。

 令和4年度は、「地域に合わせた避難経路アプリの作成」「軽石の利活用」「恩納村産アーサを使ったお土産商品の開発」を行い、令和5年度は、「下水処理と環境の関係」「観光場所の分散化」「防災の取組と防災食の開発」を行いました。毎年、環境や観光、防災など、幅広い分野の取組を実施し、様々な視点で地域課題を知り、その解決について考えています。

写真:商品化された「パッと酢まいる」と、試作品を試飲する生徒たち


■人材育成・キャリア教育を目指した「UNNA魂プロジェクト」

 「UNNA魂プロジェクト」に参加した生徒からは、「商品を考えるためには、生活者や生産者のことも考えないといけないので、大変だと思った」「企画書をイチから作るのが大変で、どのように説明したらきちんと相手に伝わるかを考えるのがとても勉強になった」「みんなで協力して進めていくと意見のすれ違いも多かったけど、みんなの意見をしっかりまとめて、完璧な商品にすることができたと思う」「身近なものを使って新しいものをつくり出すことは、恩納村のことを多くの人に知ってもらうきっかけになると思った」などの声が聞けました。

 学校の授業は、特に義務教育では基礎を教えるので、どうしても知識習得中心の授業になりがちですが、これからの時代に求められるのは、主体性や積極性、自分で考える力、自分の意見をしっかり言える力が大切だと思います。「UNNA魂プロジェクト」は、そういう子どもたちを育てるための取組でもあります。子どもたちは、恩納村の魅力発信や地域課題の解決のために取り組んでいますが、プロジェクト全体としては、自ら考えアウトプットしていく、自立した子どもを育てる「人材育成・キャリア教育」が大きな目的になっています。

写真:商品のパッケージデザインをグループになって考える様子と、成果発表会で取組内容を報告する様子


■今後の展望

 「UNNA魂プロジェクト」は産学官民が連携した取組として、恩納村全体でビジョンを共有することで、大人たちのつながりや協力体制が強くなり、子どもたちによりよい学習機会を提供することができると思っています。また、地元に貢献できる人材になってほしいという村長の思いと、恩納村の未来を担う子どもたちを育てる取組だと理解してもらうことで、協力企業や地元農家をはじめ、村民のみんながこのプロジェクトに賛同・協力してくれるような体制を作っていきたい。そうすることで、恩納村で育った子どもたちが10年後、20年後に地元に貢献できる人材となって活躍する「人材の循環」を目指しています。

 子どもたちが主体となって取り組む「UNNA魂プロジェクト」ですが、恩納村全体のSDGsの取組として、今後も続けていくことがとても大切だと思います。そのためにも、運用していくシステムの改善やプロジェクト全体のひな形の作成、行事計画の中に入れ込んで、誰が担当になっても実施できるような体制づくりを進めたいです。地元のことについて考えたり、先生以外の大人から社会の話を聞いたりすることは、通常の授業ではなかなか体験できないので、子どもたちにとってもとてもいい経験になると思うので、SDGsが達成される2030年以降も継続していきたいです。

恩納村

所在地:〒904-0492
沖縄県恩納村字恩納2451番地

TEL:098-966-1200

HP(https://www.vill.onna.okinawa.jp/