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【事例紹介】“沖縄をサステナブルな県に” ゴミ拾いからはじまった大きな夢-前編-

REPORT / 2023.09.07

今回は、沖縄県主催SDGs推進・普及イベント「みんなでSDGs!」の一環として開催する「沖縄まるごとゴミ拾い」イベントの活動をご紹介いたします。

沖縄まるごとゴミ拾い実行委員会
津波 駿佑さん

■「沖縄まるごとゴミ拾い」について

 沖縄まるごとゴミ拾いは、沖縄県が主催する「みんなでSDGs!」の一環として行う広域活動で、世界SDGs週間にあたる9月16〜18日、22〜24日の6日間をメインに県内のさまざまな場所でゴミ拾いを行います。

 ビーチクリーンやタウンクリーンに取り組んでいる団体が団結して、大きなムーブメントを起こすことで、沖縄県全体で環境保全の意識を高めようというのが目的です。イベント期間中に本島は国頭村から糸満市まで、また、宮古島市・石垣市・竹富町・波照間島などの離島も含めて、県内35団体が県全域を幅広くゴミ拾いします。


■「沖縄まるごとゴミ拾い」のきっかけ

 沖縄にはビーチクリーンやゴミ拾いを行う団体がたくさんあって、普段はそれぞれで活動していますが、みんなで団結して一緒にできたらいいなと思ったことがきっかけでした。

 僕自身、学生の頃からいろんなところのゴミ拾いに参加していて、一括りにゴミ拾いと言っても、いろいろな活動があると知りました。例えば、砂浜のマイクロプラスチックのような小さなゴミを拾ったり、ダイビングしながら海の中のゴミを拾ったり、街中をジョギングしながらゴミを拾うプロギングという活動もあり、さまざまな活動を通して、たくさんの人がゴミ拾いに取り組んでいます。しかし、僕はそれぞれの団体が別々で活動しているのがもったいない、沖縄の自然に対する想いはみんな同じだから、みんなで一緒に力を合わせてアクションできればもっと良くできるんじゃないかと感じていて、団体同士のつながりを作りたいと思っていました。そのタイミングで沖縄県ユネスコ協会の栩野さん(沖縄まるごとゴミ拾い実行委員会の1人)と出会い、僕の思いを話したら沖縄県の担当者さんと繋いでくれて、みんなでゴミ拾いをやりたいという僕の想いと沖縄県の「みんなでSDGs!」という取り組みがマッチして、「沖縄まるごとゴミ拾い」の実施が決まりました。


■“海が好き”という気持ちから始まったゴミ拾い

 僕は友達と二人でゴミ拾いをはじめたことがきっかけで活動していますが、最初は環境問題についてなにも知らなかったんです。ゴミ拾いを始めたのも、海が好きっていう理由でした。学生時代に留学先から沖縄に帰ってきた時、改めて沖縄の良さや海が好きだっていう気持ちに気づいたけど、海が綺麗だと思う反面、やっぱり落ちているゴミが目に入ってくるのがすごく嫌だったんです。そこで、友達と一緒にゴミ拾おうぜって、僕の地元 読谷村の海岸のゴミ拾いをしたのが活動のスタートで、回数を重ねるごとに地元だけでなく、県内各地の海岸のゴミを二人で拾うようになりました。

 ゴミ拾いを始めた当初は、これだけ多くのゴミがポイ捨てや不法投棄によるものなんだと思っていたけれど、活動を続けていくと、海外の文字が書かれたゴミを見つけて、日本だけのゴミじゃなくて、海外からも流れてきているんだってことに気づいたんです。そしたら、拾うだけじゃ意味がないんじゃないかとか、そもそもゴミが海にどういう影響を与えているんだろうって考えるようになりました。

 さらに、自分たちの活動の様子を「#ビーチクリーン」をつけてInstagramで発信すると、同じような活動している人たちがたくさんいることを知り、人とのつながりができました。さらに、今まで友達とだけやってきたゴミ拾いも、SNSを通して知った人たちと一緒にビーチクリーンに参加したり、僕がゴミ拾いをするときも、「いつ、どこでビーチクリーンやります」って一緒にゴミ拾いをしてくれる人をSNSで募ったりして、少しずつ活動の幅を広げました。いろんな人の話を聞く中で、環境問題のことを知って、この活動は継続していかなきゃいけないと思い、今も続けています。

写真:第1回ビーチクリーンのInstagram投稿とSNSで参加者を募って開催したビーチクリーンの様子


■みんなでより良い沖縄を“共創”したい

 環境問題のことも知って、より一層自分の活動に熱が入るようになりましたが、やればやるほど僕がやりたいと思っていることと社会の現状のギャップみたいなものを感じました。

ゴミ拾いをしている人たちは、沖縄の綺麗な海や自然を守りたい・後世まで残したいっていう同じ思いを持っていて、それぞれが素敵な活動をしているのに、みんなバラバラに活動していてリソースが分散してしまうのがすごくもったいないと思っていました。そういうものを解決できないかと考えていた時、僕が所属する一般社団法人GATのテーマ「共創」がピタッとはまったんです。

「共創」というのは、文字通り、みんなで手を取り合って社会を創っていくという考え方で、自分達だけやればいいのではなく、みんなが同じ目標に向かって一緒に活動することが土台になっています。僕がやりたいと思っていることは「みんなでより良い沖縄を共創すること」。沖縄の綺麗な海を守るという共通の目標に向かって、個々ではなく、みんなで団結して取り組む。その方が目標達成も早いと思うし、インパクトがあってムーブメントを起こしやすくなり、社会全体を動かせる可能性もあると思います。

 みんなが心地よく共創できるために、僕ができることは何かと考えた時、どの団体も活動のモチベーションがすごく高いので、僕はその前に立ってみんなを引っ張るよりも団体同士の間をつないでいく動きをした方がいいと思いました。学生時代からいろんな人と一緒に活動してきたことが活きていて、今も少しずつ共創の輪を広げています。沖縄をもっと良くしていけるのは僕たち県民だと思うし、今は小さなコミュニティがそれぞれで活動することが多いけれど、いずれは沖縄のみんなでより良い沖縄を共創できるようにしていきたい。今回の「沖縄まるごとゴミ拾い」がその一歩になると思っています。

写真:マイクロプラスチックだけを拾うビーチクリーンの様子とハロウィンに実施した仮装ゴミ拾いの様子
仮装ゴミ拾いは平和祈念公園からアメリカンビレッジまで58号線を歩いて実施した。

※後編記事は10/2の公開を予定しています。

沖縄県SDGs推進・普及イベント「みんなでSDGs!」
沖縄まるごとゴミ拾い

参加団体、開催場所や日時などの詳しくは公式インスタグラムから
https://www.instagram.com/okinawa_gomihiroi/