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お知らせ

【事例紹介】プロサッカークラブ×SDGsで子どもたちに夢と希望を-前編-

REPORT / 2023.08.28

今回は、沖縄が誇るプロサッカークラブ「FC琉球(運営:琉球フットボールクラブ株式会社)」の活動をご紹介いたします。

琉球フットボールクラブ株式会社
FC琉球クラブコミュニケーター/
経営企画室 ホームタウン担当 上原慎也さん

■FC琉球について

 FC琉球は沖縄市を中心に沖縄県全県をホームタウンとする、県内で唯一Jリーグに加盟しているプロサッカークラブです。

 2003年に発足し、今年で創設20年を迎えました。「GAME CHANGER CLUB / Jリーグの、沖縄の、サッカークラブの、ゲームチェンジを実現する。」をミッションに掲げ、サッカーだけでなく、地域に根ざした活動も幅広く取り組んでいます。


■SDGs活動をはじめたきっかけ

 FC琉球が所属するJリーグには「各地域に根ざして、地元企業や行政などとともに地域に貢献する」という活動理念があり、Jリーグ全体で社会連携活動に取り組み、SDGsに貢献しています。

 その中で、私たちが取り組むべきことはなんだろうと考えた時に、FC琉球は他のJリーグクラブチームと比べて応援してくれるサポーターの方々にファミリー層や子どもたちが多いことに気づき、次世代の沖縄の発展とよりよい社会のために、子どもたちを中心に据えた活動を始めました。

 大きなことをやってやる!という思いでスタートしたのではなく、まずは、応援してくれるみなさんのために、地域のために、そして沖縄のために。小さな積み重ねがSDGs活動にもつながっていると思います。


■FC琉球が取り組むSDGs

 私たちは大きく分けて「青少年の育成・健康増進」「海洋保全活動」「県産品の流通促進・子どもの食糧支援」の3つの取組に力を入れています。

「青少年の育成・健康増進」では、子どもたちがプロスポーツを見て、将来の夢や目標を持つ大切さを感じてほしいという思いで、2011年から県内の小学生を無料でスタジアムに招待する「夢パスプロジェクト」を実施しています。さらに、子ども食堂に通う子どもたちにも試合を見に来てほしくて、スタジアム観戦無料バスツアー「キッズ未来ドリームツアー」もはじめました。このバスツアーは、スタジアムに来る機会がない子どもたちも参加しやすいように、子どもたちがいる街からスタジアムまでの送迎バスを私たちが出しています。
 サッカー以外の取組では、交通安全の意識向上のために、沖縄県交通安全協会が小学校で実施する交通安全教室にも参加して、子どもたちと一緒に横断歩道の渡り方などを学びながら、交通安全の啓発を行なっています。
 他にも、小学校での挨拶運動や選手講和、サッカー教室や部活動の地域移行化など、積極的に活動しています。

「海洋保全活動」の取組では、専門家の方と一緒にジンベイザメに関する特別講演やワークショップを実施しています。FC琉球のクラブマスコット「ジンベーニョ」はジンベイザメがモデルなんですが、実はジンベイザメは絶滅危惧種。そのことをみなさんに知ってほしくて、ホームゲーム当日の試合会場での特別講演や巨大なジンベイザメバルーンの展示を通して、絶滅危惧種を守る啓発活動につながればと思っています。
 また、沖縄県内でのビーチクリーン活動も定期的に開催しています。子どもたちと選手が一緒にゴミ拾いをするのですが、海洋ゴミを自分ごととして考えてほしいので、ゴミ拾いをするだけでなく、「ゴミを拾う、減らす、分別する」などのアクションまでつなげていくことを意識しています。

「県産品の流通促進・子どもの食糧支援」では、コロナ禍の影響を受けた県産品の流通促進や子どもたちへの食糧支援・自立支援をサポートする「県産品&子ども応援プロジェクト」を実施。県産食材の流通のためにできることを考えて、量販店と協力し、県産の野菜や肉、卵を使った「琉球応援弁当」を開発・販売しました。量販店と一緒に取り組むことで、県産食材の需要も増え、流通促進につながっていると思います。さらに、「琉球応援弁当」の売り上げの一部を子ども支援団体に寄附したり、実際に県内の子ども食堂や「キッズ未来ドリームツアー」に参加した子どもたちへ弁当を配布して、子どもたちの食糧支援にもつなげています。

写真:夢パスプロジェクトで子どもたちが試合観戦している様子と、試合会場で実施した海洋保全に関する特別講演(協力:沖縄美ら島財団)の様子


■SDGs活動と選手たちの関わり

サッカーの枠を超えたSDGs活動には、もちろん選手も一緒に取り組みます。

特に、サッカー教室は、私が選手の頃に“沖縄の子どもたちのために活動したい”と思い、当時のチームメイトに声をかけて、選手主導ではじめた取組です。選手と子どもたちが一緒にプレーするプログラムも自分達で考えたもので、今では、離島を含む県内のいろんな場所で開催しています。

選手が参加できない場合は、私やクラブマスコットのジンベーニョが参加しています。選手と子どもたちが直に触れ合い、プロスポーツを身近に感じてもらって、スポーツの楽しさや夢を持つ大切さを感じてもらうことが、私たちが一番力を入れていることなので、そういった機会は積極的に作っています。やっぱり、その方が子どもたちも楽しいし、喜ぶと思うんです。

写真:サッカー教室の様子と、ランドセルカバー贈呈の様子
ランドセルカバーは、交通安全対策として、県内の新小学1年生に寄贈しています。

※後編記事は9/7の公開を予定しています。

FC琉球(運営:琉球フットボールクラブ株式会社)

所在地:〒904-0012
沖縄県沖縄市安慶田5-1-16 グランシャトレ安慶田2階

ホームページ:FC琉球(https://fcryukyu.com)