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お知らせ

自然環境・生物多様性の保全・継承

REPORT / 2022.12.28

 沖縄県は、緑豊かな島々やサンゴ礁が発達した海域、多くの固有種や希少種が生息・生育する生物多様性に富んだ豊かな自然環境を有しています。

 このような自然環境を次世代に継承し、世界に類を見ない生物多様性を保全するための重点的な取組を行っています。

1.自然公園

 自然公園は、すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、国民の保健・休養・教化に資することを目的に指定されています。

 自然公園内では、無秩序な開発などが行われないよう、実施できる行為を規制することで自然景観の保護を図っています。

 沖縄県内には、9つの自然公園(国立3・国定2・県立4)があり、そのうち「やんばる国立公園」と「西表石垣国立公園」の一部が世界自然遺産登録地に位置しています。

 慶良間諸島国立公園(渡嘉敷村)

 沖縄戦跡国定公園(糸満市)

※詳細については、自然保護課ホームページをご参照ください。

https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/shizen/index.html

2.世界自然遺産への登録

 沖縄島北部(やんばる地域)及び西表島は、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなど、希少な動植物が生息・生育する自然環境が非常に豊かな地域であり、世界自然遺産の登録基準である「生物多様性」に関する顕著な普遍的価値が認められ、令和3年7月に登録されました。

 沖縄島北部(やんばるの森)は日本全体の0.1%にも満たないわずかな面積ですが、日本で確認されている鳥類の約半分、カエルの約4分の1が確認され、ヤンバルクイナなど多種多様な固有の動植物が多く生息・生育しています。

 西表島は、沖縄本島から南西に400km、台湾からはわずか200kmに位置する島で、島のほぼ全域が国立公園になっており、そのほとんどは原生林におおわれています。イリオモテヤマネコをはじめとして、カンムリワシ、ヤエヤマセマルハコガメなどの希少な動植物が多く生息・生育しています。

 ヤンバルクイナ

 ヤンバルテナガコガネ

  カンムリワシ

 ヤエヤマセマルハコガメ

※詳細については、自然保護課ホームページをご参照ください。

https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/shizen/sekaishizenisan/index.html

3.沖縄県外来種対策について

 沖縄県は、多くの島々から成り、日本の中でも生物多様性の高い地域です。また、海で隔てられたことで、島の生物は独自の進化を遂げ、ヤンバルクイナなどの多くの固有種が誕生しました。

 一方、沖縄のような島しょ生態系は外来種の侵入など環境の変化に対して脆弱です。沖縄には、これまでに多くの外来種が侵入・定着し、その一部は生態系に大きな影響を及ぼしています。

 外来種とは、人間の活動によって本来の生息地以外に持ち込まれた生物のことで、生態系への影響のほかに、人の生命・身体、農林水産業への影響があります。

 県では、外来種対策の基本的な方針を定めた「沖縄県外来種対策指針」、生態系への影響を及ぼすおそれがある外来種や対策の優先度を定めた「沖縄県対策外来種リスト」、外来種対策の具体的な取組等を定めた「沖縄県外来種対策行動計画」を策定し、沖縄県の生物多様性を保全するため、外来種の対策に取り組んでいます。

 県では、以下の6つの外来種対策を実施しています。

1.行動計画の推進

外来種対策推進のため現状確認・評価、県民への普及啓発と情報収集のための外来種.com(沖縄県外来種情報サイト)の開設やシンポジウムの開催等を実施しています。

2.哺乳類対策

宮古島でニホンイタチの捕獲や西表島でノヤギの捕獲等を実施しています。

3.両生類・爬虫類対策

沖縄島中北部でタイワンスジオやタイワンハブの捕獲や、南部でグリーンアノールの捕獲等を実施しています。

4.昆虫類・クモ類対策

沖縄島、宮古島、石垣島の空港・港湾周辺でヒアリを始めとする外来アリの調査等を実施しています。

5.鳥類対策

黒島でインドクジャクの捕獲等を実施しています。

6.植物対策

沖縄島北部と西表島でツルヒヨドリの防除等を実施しています。

上の図は、県の重点対策種として駆除等の対策をしている外来種を紅型にした物です。
ちなみに、14種の外来種がいます。  


 

 外来種の中には、農作物や家畜、ペットのように、私たちの生活に欠かせない生物もたくさんいます。

 一方で、生態系などへ大きな影響を与えることから、県民の皆様にも身近なこととして関心を持っていただき、外来種被害三原則(「入れない」「捨てない」「広げない」)を心にとめ、行動することが重要です。

 外来種は物資の輸送によって拡散するリスクがあるため、県民や資材を運搬する業者等に対し、注意喚起のチラシを配布し、積み荷の確認や情報提供の協力をお願いしています。

 また、外来種.com(沖縄県外来種情報サイト)では、このような外来種に関する情報の発信と、目撃情報の収集を行っています。

 ※県の取組や、外来種.comは下記リンク先よりご覧ください。

○沖縄県自然保護課(HP)  

https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/kankyo/shizen/index.html

○沖縄県外来種.com(HP) 

https://okinawa-gairaisyu.com/

沖縄県環境部自然保護課(代表)
〒900-8571 那覇市泉崎1-2-2 行政棟4階(北側)
電話番号:098-866-2243